ある経営者が言いました。「将来起こるか起こらないか分からないことに、コストをかけられない」。果たして、これは正しいでしょうか。「未然防止」はコストと捉えるのではなく、マネジメントのスタイルです。
事故が起こると最悪の場合、人が死んでしまうかもしれません。品質問題を放置していると、不祥事が起こって、事業の継続が難しくなるかも知れません。そうなってからでは、多くのコストをかけてどんな対策を実行しても、元には戻りません。
つまり、事が起こってからでは、遅いのです。ここに「未然防止」の価値があります。安全確保は社員を守るため、品質確保は顧客を守るために必要です。事業を継続する企業として、安全と品質の「未然防止」は、責務といえます。安全と品質を確保せず、利潤だけを追求するマネジメントはあり得ません。
この考え方は、環境問題と同じです。最近、各国政府や多くの企業が、SDGs・ESG に取り組んでいます。ここでは、コストではなく地球環境を守ることが、優先されます。我々は、今まであまりにも経済に重きを置き過ぎてきました。
ぜひ、「未然防止」を地球環境問題と同列に捉えていただき、安全と品質を確保するために、「未然防止」の導入をご検討いただきたく、お願いいたします。