≪事例研究1≫ 不慮の事故死が、毎年約4万人

うっかりミスが重大事故を招く

 みなさんは、この事実をご存じでしょうか。厚生労働省が毎年公表している人口動態統計によると、過去20年以上、不慮の事故死が毎年約4万人です。

 

 不慮の事故死とは、病気でもなく、自殺でもない理由で、1分1秒前まで元気だった人が、突然命を絶たれるという極めて理不尽な事案です。

交通事故は減少傾向、不慮の事故は増加傾向
≪不慮の事故死が毎年約4万人≫

  不慮の事故には、交通事故も含まれますが、それ以外では、労災事故、水難、子どもの転落事故等、多岐にわたります。

 

 交通事故死は一時期、一万人を超えていましたが、直近5年くらいは、3千人弱まで減少しています。この理由は、警察の取り締まり強化もありますが、ドライバーの運転マナー向上、そして、自動車の進化が考えられます。

 

 注目していただきたいことは、不慮の事故死が約4万人で高止まりしているどころか、2022年以降、かなり増えていることです。この4万人を日本の総人口(1億2千万人)で割ると、0.03%で、300 ppm に相当します。

 

 品質管理の仕事をしている人ならお分かりでしょうが、300 ppm は、桁違いに高い数値です。つまり、被害に遭われた人の周りには、多くの人たちが今でも悲しんでいる事実があります。

 

 事故の原因は、100% 人のミス(ヒューマンエラー)だと言っても、過言ではありません。うっかりミスが重大事故を引き起こします。その一方で、ミスはゼロにはできません。ではどうするか。

 

 「未然防止」の実行で、ミスしても実害のあるトラブル・事故ゼロの実現を目指すべく、次章以降で、いろいろとお伝えしていきますので、ぜひ、できるところから実践してください。