≪よくトラブルを起こす人は、その事実に気付いていません≫

 私のまわりで、「トラブルを起こしたことがない」と豪語している人がいます。しかし、トラブルを起こしたことがないのではなく、トラブルの事実に気付いていないだけです。あるいは、周りの人がその人に「忖度」して、トラブルの事実を伝えていないこともあります。トラブルの気付きが遅れると、トラブルが拡大します。

 

 2年前、沖縄の首里城で大きな火事がありました。センサーが異常を検知したにも関わらず、誰も火事に気付かず、初動が遅れました。コロナ感染についても同じことが言えます。無症状の陽性者が、自分の感染に気付かず、街を出歩いて、感染を拡大させています。広く陽性者を見つけて、隔離すれば、感染を抑え込むことが可能だと思います。では、如何にして、トラブルに気付くか。そのために、トラブルとは何かを知ることが大切です。

 

トラブルとは、「あるべき姿」と「現状の姿」のギャップであると定義しています。

よって、【トラブルの気付き力】= A x B が成立します。

 

・A:「あるべき姿」を見つける創造力

・B:「現状の姿」の観察力

 

 このA、B、どちらが欠けても、トラブルに気付けません。そこで、チームで、関係者で、AとBを共有することが必要です。また、「おかしい、何か変」と感じたら、ぜひ声を上げていただきたい。チームで、トラブルの事実に気付いていれば、園児が9時間もバスの中に閉じ込められることは起こり得ません。痛ましい事故を未然に防ぐためにも、ちょっとしたトラブルに気付く感性を養ってほしいと強く願っています。